オリジナルオブジェクトを作る-その7 
Zバッファ自動作成後篇-まとめ

いよいよZバッファ自動作成まとめ編です。

いろいろ実験した結果・・・結論から言いますと、トラモグのZバッファ自動作成機能はかなり使えるようです。作成するものによっては、ほとんど直さなくても大丈夫というのも結構ありそうですよ。

既存のオブジェクトからZバッファをくりぬいて使う場合でも、形や大きさがほぼ同じ場合を除いて、手直しが必要になることがほとんどです。
これらの点から、Zバッファに関しては自動作成のほうが、作業内容が幾分楽かもしれませんね。

既存のオブジェクトのZバッファ利用については、かなりいろいろなサイトさんで説明やチュートリアルがすでにありますし、ここでは説明しません。

さて、Zバッファ自動作成に関して、前回やってみたのはテーブル置き1タイルの各パターンだけでしたので、今回は床置きタイプのものと、マルチタイル(2タイル以上のスペースを占有するオブジェクトの総称)のものについても実験してみることにしました。

サンプルとして床置きタイプのものから彫像-西洋甲冑と、マルチタイルオブジェクトから、2タイルのデスクをクローンし、サンプルを作成してみました。作成オブジェクトは、全くの実験目的のみで作った、間に合わせ+手抜きのものですので、見た目が変だったりしますが、その辺はご勘弁を。

床置きのサンプルは西洋甲冑(前向きと後ろ向き画像があるタイプ)がクローン元です。それで円柱水槽もどきを作ってみました。パースが狂っているのは適当に楕円を描いたせいです。ゲーム中の画像が後にありますが、パースが狂っているとゲーム中で違和感を覚える、悪い作品例として見てください(笑)


トラモグ画像




円柱水槽もどきのスプライトフォルダは1つで、前後はただ画像を左右反転しただけです。αチャネルは水部分が透明ですから、そこは濃いグレーで塗ってあります。





机(Desk)は、スプライトファイルが2つあり、右半分前面と、右半分後、左半分前と、左半分後の4画像で1組になっています。デフォルトのデスクは、後側にパネルが張られていて、前後ろで見た目が違いますが、今回のものは手抜きをして前後で形も同じにしています。




上がZバッファ、下がP画像のばらばらに作ったもの。下の画像はαチャネルで透明になるので、ここでは不透明の水色。









トラモグ画像。ちゃんと半透明。






机のつなぎ目部分が重なっているのは、P画像の作成時に私が適当に描いて、合わせ目をきちんと作らなかったせいです。
トラモグ上での画像継ぎ合わせ機能で、強引に左右を食い込ませて編集してあるため、継ぎ目が濃くなっているのです。
作成時に手を抜くとそんなことになるのね・・と、やはり悪い見本にしてください。

マルチタイルのオブジェクトの、何が大変かといいますと、大物は1個の画像としていきなり作成・保存できず、1タイルずつ別々の画像にしなくてはいけないという点です。
2タイルソファなんぞもばらばらにしてから左右別にデフォルト抽出画像と位置合わせをし、インポートしなくてはいけませんし、視点も4方向あります。

お風呂やベッドなどはそれぞれアニメーションの段階別に描き、さらに4方向の画像を作成し、αチャネルとZバッファもおのおの作成、今度はそれを必要な数のパーツにばらしてインポート、Zバッファがアニメーション別におかしくないかどうか見て・・・・・
大物セット家具などを作成する作者さんがどんなに大変かわかりますね。

マルチタイルのものやアニメーションがあるオブジェクト(1タイルならたとえばトイレの本体と便座等)のさらに面倒な点は、やっとこさインポートしたあと、合成された画像が必ずといっていいほどかなりずれてしまうため、こちらでも別個に継ぎ合わせをしなくてはならないということ。
ずれた各パーツを選択して、今度はトラモグ上でまたもや継ぎ合わせなおさなくてはいけません。
各方向全て、各縮尺とも、です
下はデフォルトのデスクをクローン>エクスポートし、そのまますぐインポートしたものです。左右画像が大幅にずれているのがわかりますね。


縮尺のほうは、大きい画像を治したときに、小さい画像も同様に直す、Set AllボタンでOKな場合もありますが、それで治らない場合は、いちいちつぎあわせねばなりません。

風呂や、ベッドなどアニメーションするものでは、それらのパーツのつぎあわせを、アニメーションの各段階別にやらなくてはなりません。画像作成をクリアしても、まだそんな面倒な作業が残っているのです。

また、1タイルでもアニメーションするオブジェクト(トイレの便座・フタなど)も、ここでやはりそれぞれのつぎ合わせが必要になります。

これが調整すればきっちりいくかというと、縮小率や角度でずれが生じてしまうケースがあり、1ピクセル程度のずれやスキマがどうしても残ってしまう場合もあります。ここいらは自分の許容範囲と格闘です。

本題に戻って、ゲーム中の机と円柱水槽もどきの画像です。



正面向きでは画像の欠けなどはありませんね。しかし机は足先や角が壁を突き破ってしまっています。一方、円柱水槽は左後ろでわずかに水槽下部分がはみ出しているだけです。

この机は、デフォルトの机より少し横幅が大きく、P画像パネルの横幅ほぼいっぱいです。また、机の高さも、かなり低く(作成元の約3/5)しています。足位置がデフォルトよりやや下なのです。(重心部分がずれている)そのせいで、だいぶ飛び出してしまったのかも。
このへんの調整をトラモグ側でどう判断しているのかは今ひとつ不明。

水槽のほうは、飛び出した後面の位置あわせをせず、ただ左右反転で作ったためにはみ出したようです。他の場所にも置いてはみ出し方を調べてみましたが、この角度以外でははみ出しは見られませんでした。

もう一度、Zバッファを見てみてください。

マルチタイルのものでは、作成画像別に三角錐の中心ができている点に注目してください。画像1枚に付き1頂点なのかなと思われます。

また、微妙に前画像、後画像、マルチタイルではタイルごとに三角錐の頂点位置などが違うようです。この画像は、前後のZバッファ画像のレイヤーを、見やすいように左右を位置合わせして上下に重ねたものです。少しずつ、色合いと頂点が違っているのがわかります。


作例が非常に少ないので、実験結果としては資料不足で確実とはいえないものの、先の5個作成した「テーブル置き菓子ディスプレイ」の事例、それから、今回実験したことを見る限りでは、自動作成時にあまり修正しないためには以下のような条件が考えられます。
もちろん全て手描きでも同様の注意で手直しが少なくて済むと思います。

といったところでしょうか。
もし、他にご意見などありましたら、ご教示いただければ幸いです。

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