メタセコイアでスキン作成 ペット編 -その1-
ペットの決まりごとと、犬と猫の違い

一番最初に人もペットも、ゲームシステムの中である程度の関節位置=Jointが決まっていて、ここから関節が外れるほど、表示がおかしくなる、ということをご説明しました。
これは全てのスキンに共通する大原則でペットも例外ではありません。
特定Joint位置から各パーツが外れないようにしないと、アニメーションが破綻します。

つまり、ペットもサイズをあまり選べないということですね。規定ペットよりだいぶ小さい、あるいは大きいペットは正常なアニメーション動作を前提とすると作れないということです。

それと、もう1点。人と同じ直立2足歩行型ペットについて
もともとが四足動物を基本にアニメーションが作られているため、頭部−首−上胸部−前足で作成することになり、この前足部分を直立した脚に設定することになります。これらは歩いたりしているときは目立ちませんが、餌を食べる動作や、前足を上げる動作が呼び出されたとき、胸部と腹部がジョイント側から見るとNeck1とNeck、SPINE2ですので、かなり急角度で胴体が前に折れ曲がる、形がゆがむなど、キャラクタの形状が破綻しやすいということを覚えておきましょう。ジョイントの関係で仕方がない点です。
イレギュラーペットの場合はどこかで妥協するしかないということですね。

実際のボーンの設定についてですが、人シムとはだいぶ違った動きになるボーンがかなり多く、また、犬と猫でボーンの設定やジョイントの動きが違うという点も注意が必要です。

下は、Simviewでのプレビュー。猫と犬の違いを見て見ましょう。 画面上が猫のスキンを猫ジョイント、下が猫スキンを犬ジョイントで表示したものです。
右も上が猫、下が犬設定。
左が静止状態。
右は180度回転アニメーション時に、ほぼ同じ瞬間で止めたもの。アニメもそれぞれジョイントに合わせて上は猫アニメ、下は犬アニメをそれぞれ呼び出しています。



デフォルトの犬を同じように見てみます。上が犬を猫ジョイントで設定したもの。下は犬を犬ジョイント。同じスキンですが、だいぶ表示が違いますね。


ペット特有のボーンと、人シムのボーンの違う箇所について

後足については、ボーン、ジョイントとはなんぞや?で書きましたように、動物では後足の腿からひざが胴体に付く形になり(LEG)、ひざから足首が一見逆関節のスネに見え(LEG1)、かかとから足指の付け根(HORSELINK)がスネのように見え、足首から下のように見える、実はつま先部分だけが地面に触れる(FOOT)という形になります。人がこのポーズをとろうとすると、ヨガのポーズのようになってしまいます。かなり体の柔らかさが必要になりますね。

実際の割付例を見てみましょう。
まず、猫から。モデルは拙宅のグリフィンですが、このボディスキンは前足以外はデフォルトの猫をほぼそのまま流用しています。

猫のSimViewでの静止画像は、

猫では犬と比べ、HORSELINKが広く、LEG1が小さい割り振り ただし、ゲーム内では静止姿勢が尻尾は斜め下に、お尻が少し、ぽこっと後方に飛び出す感じになります。
アニメーション時は頭を上げ、尻尾はゆるくたらした状態で、TAIL3〜4がやや上向きます。尾は体を追尾するように、滑らかにしなります。足取りはやや大きいアクション。
猫の特徴として、尻尾の付け根、後足の間に小さくPELVISのボーンがあり、これがアニメーションの際クランクのように上下方向に90度回転します。このボーンは犬と猫で全く違う位置にあり、動きも全く違います。

こちらは犬、デフォルトの犬です

犬の静止状態は

犬ではPELVISがLEGのボーンの直ぐ上、外腿の付け根にあり、猫のように回転はしません。

犬の静止姿勢は、犬がウーッ、とうなっているときの姿勢が静止状態ということになりますね。今にも吠えんばかりです。
180度回転のアニメーション時、犬は尻尾全体を左右に小さく振り、足の動きもチョコチョコした感じで振り向きます。
尻尾のボーンは1〜4まで振り分けられていますが、犬では尻尾全体がほぼ付け根からしなう程度にしか動きません
後脚のボーン設定が猫とは明らかに違います。猫でHORSELINKに設定されている位置がLEG1になっています。
同じ長さの尻尾も、犬のほうが短くなるのがわかりますね。

犬猫の使い分けについてのまとめです

やや背の高いもの、しなやかな動きをするもの、脚をやや長めに見せたい場合や尻尾を滑らかに動かしたい場合は、猫のほうが向いていることがわかります。猫科動物はもちろん、尾をくねらせたい動物の場合は猫ベースが良いでしょう。

イヌ科の動物、体高が低くて脚が短め、尾をあまり動かさない動物、例えばウサギやフェレットなどゲッ歯類では、犬ベースの方が姿勢や動作などの点で近いので、こちらが良いと思われます。サイズはもちろん犬サイズですが。

レギュラーペットに近い形のオリジナルペットを作成する場合は、できるだけデフォルトのペットのボディをベースにして、ボーンやブレンドデータをそのまま流用できるようにすると楽です。形状変更をブレンドデータごと拡大縮小したり、アクセサリでパーツを補うように作成すると比較的きれいなアニメーションが期待できます。

ただし、ブレンドデータの移動が微妙なバランスでずれると、ゲーム中でのポリゴン割れが起こります。SimViewでブレンドデータのOn、 Off切り替えでこのチェックをしましょう。
アニメーションを呼び出してのチェックも出来ますから、ここでほとんどの動作試験を済ませることが出来ます。

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